夏の果 2014

先日、出勤時の信号待ちで前の車に映る雲がひと足早く秋めいていたので写真を撮ったりしてみた。

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こんな何気ない一瞬をさらりと詠めたらどんなにステキかなぁ…なんて思いながら、ある歌をおぼろげに思い出した。

思い出したと言っても31文字はサッパリ出て来たわけじゃなくて、その歌を初めて読んだ時に瞬時に見えて来た風景を思い出しただけなんだけど、どうしてもその歌を思い出したくて記憶の糸をたぐり寄せ、いくつかのキーワードでYahoo検索!

くちづけ、眼鏡、夏、窓

その4つだけ。でもすぐにその歌は見つかった。便利な時代だね〜。

窓辺にはくちづけのとき外したる眼鏡がありて透ける夏空

吉川宏志さんという歌人の歌らしい。

Twitterの呟きだったか、何かの本だったか…何でその歌を読んだのかは記憶にないけど、自分の撮った写真から歌の記憶が蘇ったなんて何だか久しぶりの出来事だったので書き記して置こうかな、と思い立った、ただそれだけ。

今日書道教室で時間があったので絵手紙に句をのせてみたので、それもついでにUP!

万葉(よろづは)の雨恋ふ色や夏の果

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涙の日

縁あってふたたび共に働いたと思っていた友が突然職を退いた。 みなに平たく優しく接し、むやみに人の心をかき乱すことの決してない人だった… Image

ありがとう…

見え分かぬ心のままに去り行ける人の涙や著莪の花咲く

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ツバメ 2014

昨日の運転中、車道の端にツバメがいるのを見た。バイクなどが通るようなところだ。 なんであんなに危ない地面に降りてるんだろう?大物の餌でも見つけたのかな?と、スピードを落としてよくよく見ると、そのツバメは何かを覗きこむように小首を傾げて見つめていた。もっとよく見れば、なんと見つめてる先はすでに息絶えたツバメ。 もしかしたら車のフロントガラスに激突してしまったのか…。 あんな場所で我が身の危険も顧みずずっと傍に寄り添うように。 もしかしたらツバメには哀しみとか死を悼むとかいう感情があるのかもしれないと思った。 そのツバメの居姿が脳裏に焼き付いて離れず、歌にしてみた。

片時も離れず見つむつばくらめ 骸(むくろ)となりし妹がかたはら

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黄泉路

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鯉の背に乗りて黄泉路へ花筏  幢舟

ここのところ、この写真を何度訪ねたか・・・

ド迫力の鯉に花かんざしのような桜の白がまぶしくて。

そして、このロマンチックな一句。

黄泉路、行こうじゃないか!って気にならなくもない。

 

 

どこを見ても染井吉野が満開だったほんの数日前のこと、

利用者さんを乗せて向天方(むかいあまがた)の桜トンネルを通ると

でっかいカメラのでっかいレンズで桜の花房を

パクパク食べちゃいそうなほど花に近づいて

写真を撮っている人たちを見た。

(facebookの友(といっては失礼な、紳士で都会的なお兄様)も

いつもあんな風に写真を撮っているんだろうなぁ)

なんてことを思いながら・・・

 

その方の名は「氷下魚 幢舟(こまい どうしゅう)」さん(合ってます??)。

名前の読み方すらわからなかった幢舟さんが詠まれる句は私の

数少ない語彙と薄っぺらな感性では到底理解の及ばぬ世界。

さらにはその句に添えられるお写真

(写真に句が添えられるっていうのが正しいのだろうか??)

がこれまた独特の世界観。

写真の構図とか撮影の時間とかも絶妙なんでしょうが、

それをもって遊ぶように加工されていてなんというか・・・

ピカソ??

 

昔から月に憧れて(かぐや姫じゃあるまいに)

「いつか月の写真を撮ってみたい」

という思いがあり、

(何ていうか、こう、シュ~っとしたカメラが欲しいなぁ・・・

なんつったってiPhoneカメラじゃ月が米粒みたいにしか

撮れないし、花の写真も背景をめちゃくちゃ綺麗にボカしたり

してみたいしなぁ)

というおぼろげな憧れ?カメラの知識もないし、すごく高いし、

私なんかじゃ管理できない(レンズってカビるらしいし)。

 

そんな思いがずっと背景にあり、思い切って幢舟さんに相談!

オススメのカメラは教えてもらえたけど、カメラ屋さんに行く前に

まずはカメラの勉強かな?と本屋さんへ。

たくさんの本の中からどれを選べば良いのかすらわからない。

両側にはカメラ小僧みたいな人が立ち、なんだかオバチャンは

邪魔者っぽかったので、そそくさと退散。

本は諦めたけど、iphoneで検索していろんなサイトを読み漁る!

しかし専門用語だらけで何が何だか??

18~250mmってなんのこと??焦点距離って何・・・?

ん・・・・・こりゃぁ月まではかなり、とほき道のりだ。

 

そんなこんなしてた時、facebookに先の幢舟さんのフォト俳句登場。

 

私はいったいどんな勘違いをしていたんだろうか。

性能のいいカメラを買えば、思い通りの写真が撮れる、とか?

そもそも感性ってものがありゃしないじゃないか!笑。

・・・なんてことに静かに気づかされるのでありました。

ジャンジャン♪

 

追記*+*+*+*+*+*+*+*+*

句を受けて一首。

 

月しづみ色なき闇の水面ゆく花の筏の白まさりける

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花散らしの雨 ~和歌劇「真間のテゴナ」in福厳寺

夕べは浜松の福厳寺にて遠州初のやまとうた茶論コンサートが行われた。

去年の5月、細江の宝林寺でのコンサートから三度目の夕べは

友の会の会員のみ参加の「茶論」形式のコンサート。

5月にリリースされる古事記(kojiki-songs)に先駆けて

「手児奈」の和歌劇から。

二部は会員ひとりひとりを、直美さん自らが、うたまくらや直美さんを

取り巻くあらゆるつながりをひも解きながらゆっくりと紹介してくださった。

そういう私も紹介していただき・・・ドキドキ。

以前行われた他の会場でのコンサートのエピソードを交えながら、

CAELI~天より「春愁~約束された別れ~」

 

たゆらきの山の峰の上の桜花

      咲かむ春へは君し偲はむ

 

君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる

      黄楊の小櫛も取らむとも思はず

 

(以上、万葉集第九巻相聞歌1776-1777番)

 

そして私の一番好きなCD「あさね髪」より「富士」。

わが施設で毎日行われているレクリエーションの後のクールダウンの

リハビリ体操として「富士」につけられたエアロビ体操を

なんと、なんと、直美さんの生歌に合わせて会員の皆さんの前で

披露する運びとなり、仕事の時と同様、みなさんにも一緒に

体を動かして頂いたりして!そんなことになろうとは露も思わず。

コンサートに一緒に参加した看護師さんは感動のあまり涙、涙・・・

そしてCD「言の葉」より「酒楽のうた」にてみんなで乾杯!!

会場は酒席へと・・・

直美さんは歌い手さんから一変、お寺の厨に籠もり、シェフに。

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ほたるいかの前菜

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新ごぼうのスープ

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筍と鶏の炊き合わせ(ベトナム風)

写真を撮り忘れたけど、筍のパスタ

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三つ葉の俵結び ご住職お手製のお漬物

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ライチ風味のフルーツポンチ ブルーベリー茶

すべて直美さんのお手製とのこと!!なんて素晴らしい。

デザートのころ、直美さんは色無地の着物を召されて登場し、

一人一人とゆっくりと大切におしゃべりされていた。

きめ細やかなおもてなしの心が隅々まで行き届き、

しっとりとした時が流れた。

 

和歌という連綿と読み継がれてきた日本の素晴らしき佳き文化を

大切に歌い継いでゆきたいとの思いが静かに伝わってくる

そんなありがたい時間だった。

 

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小國神社の枝垂れ桜

以下、今日詠んだ歌を二首・・・

 

咲きひほふ枝垂れ桜のこずゑより花のむしろに燻る面影 

さまざまの思ひ巡りし春の辺の黄楊の小櫛に花ぞ訪ぬる

 

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和歌劇 「月と黄金」 その2

下の記事のつづき・・・

 

第二部 和歌劇「月と黄金」

あらすじ

源氏と平家の戦いによって混乱する日本をひとつにまとめるため

僧侶・重源は、戦乱で焼け落ちた大仏の再建事業を始めた。

一方、高野山で重源と共に仏教を学んだ西行は、人々の日常の

営みの中にこそ価値があることを歌に詠みながら諸国を巡り歩いていた。

重源の依頼により、西行は大仏の鍍金に使う金を調達するため奥州に

赴き、その途上の鎌倉で、源義経の愛妾・静御前に出会う。

 

 

 静御前は、平家を滅ぼし都に凱旋してきた源義経に一目会っただけで

恋に落ち、兄・頼朝から命を狙われて逃避行を始めた義経に付いて

行こうとするが、吉野・大峰山の修験者に阻まれてしまう。その後、

頼朝の命令により鎌倉に護送された静御前は、源氏の守護神である

八幡神を祀る神殿で白拍子の歌と舞を披露する様に命じられるが、

静御前は愛しい義経を思う気持ちを芸能に昇華させてその神に奉納した。

 

(以上、パンフレットのあらすじより)

 

【西 行】

死出(しで)の山 越ゆる絶え間はあらじかし

亡くなる人の数続きつつ

(西行聞書集 より)

 

【重 源】

釈迦の月は隠れにき慈氏の朝日はまだ遥か

そのほど長夜の闇きをば法華経のみこそ照らいたまへ

(梁塵秘抄 今様 十八)

 

【静御前】

思の津に船のよかれし星のまぎれ推して参ろう(ヤレコトットー)

亀は万劫 鶴は千歳 経る君は如何経る万歳こそ住め(ヤイコトットー)

(郢曲抄より)

 

【静御前】

いにしへの倭文機帯を結び垂れ誰れといふ人も君にはまさじ

(万葉集 2628番)

 

義経への熱烈な思いなんでしょうが

まさに「目がハート」ってところでしょうか~?なんだか可愛らしい♪ 

 

【人 々】

讃岐の松山に松の一本歪みたる

捩りさの捩りさに猜うだるかとや直島の

さばかんの松をだにも直さざるさん

(梁塵秘抄 巻二 雑 431)

 

【西 行】

氷をたたきて水掬び露を払ひて薪採り

千歳の春秋を過ぐしてぞ一条妙法聞き初めし

(梁塵秘抄 巻二 提婆品 112)

 

【西 行】

笹深み霧越す岫を朝立ちて靡き煩ふ蟻の門渡り

(「山家集」下巻・雑1116番)

 

【西 行】

屏風にや心を立てて思ひけん行者は還り稚児は泊りぬ

(「山家集」下巻・雑1117番)

 

【西 行】

分けきつる小笹の露にそぼちつつ干しぞ煩ふ墨染の袖

(「山家集」中巻・雑918番)

 

【西 行】

身に積もる言葉の罪も洗はれて心澄みぬる三業の滝

(「山家集」下巻・雑1118番)

 

【西 行】

隠れにし君が御影の恋しさに月に向かひて音をや泣くらん

(「山家集」中巻・雑793番)

 

今は亡き崇徳院を月に重ね咽び泣く、昔の女を忘れられない

一途な恋のイメージ・・・?? 

 

【修験者たち】

それ山伏といっぱ役の優婆塞の行儀を受け

その身は不動明王の尊容を象り兜巾といっぱ五智の宝冠なり

十二因縁の襞を据ゑて頂き九会曼荼羅の柿の篠懸

胎蔵黒色の脛巾を履き さてまた八つ目の藁沓は

八葉の蓮華を踏まへたり

(謡曲「安宅」より)

 

【静御前】

押ふれど涙ぞさらに留まらぬ衣の堰にあらぬ袂は

(松屋本山家集 恋110首)

 

涙があふれる、というだけのことをこんなに美しく詠めるだなんて・・・ 

 

【西 行】

巣鷹渡る伊良湖が崎を疑ひてなほ木にかくる山帰りかな

(「山家集」羇旅歌)

 

【西 行】

曇なき山にて海の月見れば島ぞ氷の絶え間なりける

(「山家集」下巻・雑1356番)

「空気の澄んだ山から海を見ると月が海面を照らして氷のように見え、

それが美しい(その氷のような冷気こそが人間を始め生物には重要

なのだ)」と菅沼先生は対訳をつけられている。今度深く聞いてみよう~

 

 

【西 行】

朝風に港を出づるとも船は高師の山の紅葉なりけり

(西行 聞書集より)

 

【西 行】

雪解くる しみみにしだくから崎の道行きにくき足柄の山

(山家集 春歌より)

 

【西 行】

吹く風を なこその関と思へども道も塞にちる山桜かな

(源義家「千載和歌集」より)

 

【静御前】

受け難き人の姿に浮かび出て懲りずや誰もまた沈むべき

いかかすべき世にあらばやは世をも捨ててあな憂の世やと更に思はん

(「新古今和歌集」巻十八・雑歌下1749番、1830番)

 

【西 行】

君が代は天の羽衣客に著きて撫づとも尽きぬ巌なるらん

(拾遺和歌集 巻五 賀)

 

 

【静御前】

吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人の跡ぞ恋しき

しづやしづ倭文(しづ)のおだまき繰り返し昔を今になす山もがな 

(吾妻鏡・静御前の歌)

 

足跡までも恋しい・・・かぁ。誰の足跡かもわからないのに?

あなたが踏んだ河原の石を玉のように愛しく思う、っていう歌もあったなぁ。 

身近な、目の前に今あるものに思いを重ね詠むこころって大切なんだね、

きっと。

 

【人 々】

空より華降り地は動き仏の光は世を照らし弥勒文殊は問ひ答へ

法華を説くとぞかねて知る

(梁塵秘抄 法華経28品歌 57)

 

【静御前】

細小蟹(ささがに)の糸に貫く露の玉の懸けて飾れる世にこそありけれ

(「山家集」下巻・雑1514番) 

 

対訳:小さな蜘蛛がかけた蜘蛛の巣の糸についた無数の小さな朝露。

それが朝日に当たりまるで黄金のように輝くのがとても美しい、と語り

合う世の中であってほしい。

 

 

和歌劇のあと、みんなで食事をし、家に帰ってもしばらくは余韻に浸り、

なかなか寝付けずにいた。前回とはまた違った何かを得たような

そんな満足感でいっぱいだった。

こんな風に和歌劇という形で今まで知らなかった歌に触れ

その対訳に助けられながら、ひとつひとつひも解いていくと

「今」わたしが大切にすべきものが見えてくるような気がする。

蜘蛛の巣の歌にも見るように、ごく身近な、つい見過ごしてしまいがちな

小さな自然の美しさにふと立ち止まる心のゆとりを持たねば、とあらためて

思うのであります。そして身近な自然美と今あるがままの心とをリンクさせる

ことで救いにしたり、励みにしたり、あるいは昇華させたりすることができる

のだろう。まだ道半ばの私の歌もそんなものに近づけるよう詠み捨てつつ

心の糧として行けたらなどと思う。

 

 

 

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和歌劇「月と黄金」

伊豆大島に甚大な被害をもたらした台風26号が去り、次いで発生し

南の海上でのんびりしていて行方が気になった台風27号、28号。

それも徐々に進路を南へと変え昨日の午前中に遠州を過ぎ去った。

そして昨日の夕刻、二度目の和歌劇を観に行ってきた。

前回は今年5月、細江の宝林寺での公演だった。

http://bonjour-pooh.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-c285.html

 

今回の場所は浜松市曳馬の天王山福巌寺(ふくごんじ)

17:00開場 17:30開演 26,27日の二日間

テーマは落日の英雄・源義経を慕い続ける芸能者 静御前と

文明から逃避するように旅を続ける詩人 西行

二部形式になっていて、

第一部は「やまとうた」音楽で綴る万葉集

第二部は和歌劇「月と黄金」

第二部の和歌劇はこの夏、ポーランドのザモシチ芸術祭で公演した内容

とのこと。

 

第一部 やまとうた ~音楽で綴る万葉集

 

明日香風 志貴皇子(しきのみこ)万葉集51

萌え出づる春 志貴皇子 万葉集1418

秋の七草 山上憶良 万葉集1537・1538

高円の秋萩 笠金村 万葉集230・231・232

子をおもう歌 山上憶良 万葉集802・803

天の鶴群(あめのたづむら) 詠み人知らず 万葉集1791

明日香慕情 山部赤人 万葉集324・325

 

第二部 和歌劇「月と黄金」 芸能とは何か/和歌の意味とは何か

主演  歌枕 直美

脚本・総監督  菅沼 登

作曲  歌枕 直美

 

「明日香風」 志貴皇子 万葉集51

采女の袖吹きかへす明日香風 都を遠みいたづらに吹く

 

飛鳥浄御原宮から藤原宮へと都がうつり采女の姿も幻となってしまったなぁ。

風を詠むだなんてなんと風流なんだろう・・・

 

「萌え出づる春」 志貴皇子 万葉集1418

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも 

 

雪解の水の音、あたたかな春陽に萌え立つ蕨の新芽に心も踊るなぁ。

ワクワク感満載!

 

「秋の七草」 山上憶良 万葉集1537・1538

秋の野に咲きたる花を指(および)折り

かき数ふれば七種(ななくさ)の花

 

萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 女郎花また藤袴 

朝貌(あさがほ)の花 

 

あるがままの自然に心を寄せる憶良のまなざしを感じる歌。

 

「高円(たかまど)の秋萩」 笠金村 万葉集230・231・232

梓弓手に取り持ちてますらをのさつ矢手(やた)挟み立ち向ふ

高円山に春野焼く野火と見るまで燃ゆる火を何かと問へば

玉鉾の道来る人の泣く涙こさめに降れば白栲の衣ひづちて

立ち留まり我に語らくなにしかも もとなとぶらふ

聞けば哭(ね)のみし泣かゆ語れば心ぞ痛き

天皇(すめろき)の神の御子(みこ)のいでましの手火(たひ)の光ぞ

ここだ照りたる

 

高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに

 

御笠山野辺ゆく道は こきだくも繁く荒れたるか久にあらなくに

 

人々に深く慕われていた志貴皇子(しきのみこ)の葬列の高円山まで続く

送り火が野火と見紛うほど赤々と燃えている。

その野辺に咲いてはこぼれる秋萩を今はもう見る人はない・・・

御笠山の野辺はなぜこんなにも荒れ果ててしまったのだろうか?

志貴皇子のひととなりに触れてみたいと思う歌。

 

「子をおもう歌」 山上憶良 万葉集802・803

瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばまして思(しの)はゆ

いづくより来たりしものそ眼交(まなかひ)にもとな懸りて

安眠(やすい)し寝(な)さぬ 

銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに

勝れる宝子に及(し)かめやも

憶良、70になって詠んだ歌とのこと。

誰が聞いてもわかりやすい、心にすっと溶け込んでくる歌。

「栗食めば・・・」の辺りで歌枕さんはグッと詰まって涙を浮かべた。

私達も皆それぞれに持つ子への思いがリンクして涙を誘う歌となった。

 

「天の鶴群(あめのたづむら)」 詠み人知らず 万葉集1791

旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群

 

遣唐使となり厳しい旅を命ぜられた息子を一心に思う歌。

「子をおもう歌」「天の鶴群」は第一部のメインテーマなのだろう。

 

「明日香慕情」 山部赤人 万葉集324・325

みもろの神なび山に五百枝(いおえ)さし繁(しじ)に生ひたる

栂(つが)の木のいや継ぎ継ぎに玉葛絶ゆることなく

ありつつもやまず通はむ明日香の古き都は

山高み川とほしろし春の日は山し見が欲し

秋の夜は川しさやけし朝雲に鶴(たづ)は乱れ

夕霧にかはづは騒ぐ 見るごとに音のみし泣かゆ

いにしへ思へば明日香川 川淀さらず

立つ霧の思ひ過ぐべき 恋にあらなくに

 

明日香が栄えていたころの古き良き都の四季折々の麗しき大自然への

思いは明日香川に立ち込めた深き霧のように消え失せることはない。

山河が荒んでいく様を見つつも心だけは変わらずに・・・と願う歌。

心の在り方を説く歌なんだなぁ・・・

 

打ちくたびれたので、第二部は のちほど

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白露2013

え?docomoからiPhone?
ちょうど一年前iPhone5の発売が発表されて
10年の付き合いだったdocomoから
渋々馴染みのないSoftBankに乗り換えて
たった一年で…?
docomoがiPhoneを売る日は来ないと巷の噂を信じた
私が悪かった…>_<…

それにしても一年なんてあっと言う間。
振り返ればさまざまなことがあったけど、
みな愛しき自分史となりゆくもの。

今日は二十四節気 白露、仲秋のころとなった。
19日はお月見。大好きな季節。
自分史の欠片として思いのままの句歌を残せたら、と思う朝。




年経るをしみじみ思ふいと疾しと
木末(こぬれ)に今朝の白露結べば

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和歌に親しむ

先日、わが施設のDr.のすすめで和歌劇を観に行った。

場所は静岡県浜松市細江町の初山宝林寺。

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この本堂の中を舞台として飾りつけされ、歌枕直美さん(本名・大阪吹田)

というソプラノ歌手が語りと、和歌の解説、そして和歌に曲をつけて歌うと

いうもの。教科書などでもよく知られた耳慣れた和歌が多く、曲をつけると

また雰囲気が違って聞こえる。

Dr.から前売り券を買い求め、歌枕直美さんのCDをプレゼントして頂いて、

聴き込んでからの観劇だった。

昔から和歌には憧れがあり、「うたのわ」というサイトで見よう見まねで

詠んだりする程度で、何一つ知識のないままだったけどとても楽しめた!

 

歌枕直美さんの声は高く透き通っていて天翔ける風のよう。

心がスーッとするような心地よい歌声。

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コンサート後にはCDの販売とサイン会があり、少しおしゃべりもできた。

気取りのない明るい方だった。

ここのところ通勤の車の中、夕飯の支度の時などいつもCDを聴いていて

施設でも流している。

今一番好きな和歌を記してみましょう~♪

       

     石走る垂水(たるみ)の上の早蕨(さわらび)の

            萌(も)え出(い)づる春になりにけるかも  

                           万葉集 志貴皇子(しきのみこ)

 

     来むといふも来ぬ時あるを来じといふを

            来むとは待たじ来じといふものを

                           万葉集 大伴坂上郎女

 

     住江の岸に向かへる淡路島

            あはれと君を云はぬ日はなし

                           詠み人知らず

 

     采女(うねめ)の袖吹きかへす明日香風

                  都を遠みいたづらに吹く  

                           万葉集 志貴皇子(しきのみこ)

 

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宝林寺の忍冬(すひかづら)

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宝林寺本堂裏口 弥勒菩薩

 

以下、YouTubで紹介されている歌枕直美さんのCDの抜粋(↓click)

歌枕直美の世界~歌で日本の歴史と未来をつないでいく YouTube

言の葉 歌枕直美

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わだつみの蒼にほひ立つ残り音に折々見ゆる花のくれなゐ

歌が浮かぶと 絵が浮かぶ・・・

その絵を求めて画像検索をしてみる

ROADGさんの「ROADGのブログ」の一枚の写真にたどりついた

唐突にコメントにてお写真拝借を願い出てみた

さっそく快諾のコメントをいただいたのでブログUp!

RAODGさん、ありがとうございます

http://blogs.yahoo.co.jp/ireguiroadbike

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(↑clickしていただくともう少し大きく見えるやもしれませぬ)

   わたつみのあをにほひたつのこりねに

            をりをりみゆるはなのくれなゐ    きょうこ

 

 
 

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