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思ひと云ふもの

うちの施設ではお昼ごはんの後、利用者さんたちに施設のフロントまで運動を兼ねて

移動していただく。その間レクリエーションの準備のためデイフロアの机や椅子を

大移動させる。フロントでは喫茶コーナーが設けられお好みに合わせコーヒー、紅茶、

ココア、夏にはカルピスやアイスコーヒーなどが振る舞われる。

一頻り飲んでおしゃべりしたら屋外への散歩にお誘いし四季折々の花を愛でたり

風に吹かれて季節を満喫してもらう。

中には思い思いに車いすを自走する方、杖歩行の練習をする方、気の合う利用者さん

や語り合いたい職員を選んで屋外へ繰り出すという方もいて、大切なひと時となって

いるようだ。

今日、ソファに腰掛けた状態で首を天井に向け更に首を後ろに向けようと必死になって

る方がいて、こんなこと言ったら怒られちゃうけど、あまりにその姿が可愛らしかったの

で近づいて呼びかけると

「どこ行ってただ?あんたぁ~を探してただよぉ。お散歩行けるかね?」

というので手をとり歩くと、なぜか初恋の、いわゆる恋ばなを訥々と語り始めたりする。

なぜに、私に・・・、と思いつつ、ふむふむと耳を傾ける。

また別の日に別の利用者さんが私を探していたといって通りすがりの私の腕を

すがるように掴もうとした。なんでもトイレ介助をしてもらいたい、という。

介助してみれば特にこれといった要望があるわけでもなく、トイレといういわば

個室という空間でデイでの人間関係についての涙の訴えがあるという訳でもない。

ほかにもあなたにお風呂介助をしてもらいたい、とか、ここにきて話を聞いて・・・

といわれる。私に限られた、特異性のようなものを私自身はわからない。

きっとほかの職員もまったく別の利用者さんにそのように言われているに違いない。

思いというものはひとりひとりみな違うものだから、私が求められることには常に

誠実に応えよう、と最近思う。

 

ここのところ寒の戻りというのだろうか、また寒い日が続き、散歩の時間になかなか

外に出ようとしない方が多いので何か良い誘い文句はないものかと思い

「今日外をお散歩すると10歳若返りますよ~♪もう一度青春を取り戻しましょ~!」

などというセリフが口をついて出た。我ながらうまいこと言う~と思っていると

「やだやぁ~、十(とう)も若返ったらまた苦労のやり直しせにゃならんじゃん。

私らの青春っちゅ~ころは戦時中で、そりゃとんでもなく苦労しただで!

はぁ~、わしゃ懲り懲りだで・・あんた、ひとりで行ってきなぃ!」

だなんて眉間にしわを寄せて怒る人あり・・・

「え~??私ひとりで青春取り戻しちゃったら嫉妬の嵐になりませんかぁ??」

とかいいつつも、共感しつつなだめたりして。

 

ん~、言葉っておもしろいけど、難しいわぁ~、と思う春のひと日でありました。

Dsc02866

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