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山椒魚

我が家の長男は小さい頃から本好きで自分の部屋にも居間にも階段の一段一段にも

トイレにも本を見ない場所はないほど、家中に彼の買い込んできた本が溢れてる。

昨日はトイレに新しい本があった。新しいといっても古本だけど割としっかりとした

渋い黒の表紙。井伏鱒二だった。

井伏鱒二といえば中学生の時だったか教科書で読んだ「山椒魚」しか知らない。

ちょっと拝借して来て懐かしく読み返してみた。

教科書では数ページにわたっていた記憶があるけど、こんなにも短いお話だったか。

 

あらすじは・・

うっかりしていて岩屋の棲家から出られない大きさになってしまった山椒魚。

外の景色を眺めて暮らすうち、外への憧れを抱き、出ようと試みるも脆くも砕かれ

絶望の淵に落ちる。自分の棲家へと自由に入り込むものへの妬み、ついには

水と陸とに生きられる蛙との出会いに言い争いつつも数年のときを掛け、命を

かけて何かを分かち合う。・・・って感じかなぁ。

 

数十年前に読んだ時に感じた岩屋の暗さ、湿度、かび臭さ、ぬめり感、時折の風、

光、水の音・・・

実際に五感で感じ取ったわけでもないのに今もなぜか子供の頃の記憶は

そのままよみがえってくるということの不思議を感じた。

それでもその他の登場人物(水生物)やそれらへの感情表現の記憶がおぼろげ

だったし、それを受けての感想の記憶は皆無だった。

山椒魚の感情そのままのつぶやきを新鮮に読んだ。

物語の最後でもある蛙のつぶやき、

「今でも別におまえを怒っていないんだ」

という言葉は衝撃的。

きっとこの言葉のためにこの物語は書かれたんだろうし、ここを語り合うために

教科書に取り上げられたのかもしれない。

それにしても感情の揺れる中学生には共感する部分はあったとしても

難しかっただろうねぇ。(記憶なし)

 

井伏鱒二・・読み進めよう!

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

井伏鱒二は「山椒魚」を中学生の時、
「遙拝隊長」を日本語で高校生の時、
英語で大学1年の時授業でやりました。
最近読んだのは「珍品堂主人」です。
なにせ骨董屋なもので……。
読み返すとびっくりするほど短い話なのですが、
大人になってから読んでも「井伏、鋭い……」と
じっくり感嘆してしまいます。

投稿: 紫苑 | 2010年4月20日 (火) 20:08

紫苑さん、こんばんは♪

お店に本も置いているんですね。
一度こっそり訪ねてみたいですね~。
でもきっと紫苑さんにはバレバレでしょうね。
何せ都会慣れしてなくってキョロキョロしてますから。

山椒魚は本当に短編でちょっと意外でした。
もっと長いお話だったようなそんな記憶ばかりが残っていたので。

それにしても本っていいですね。
読み始めた瞬間から五感が働き出して行ったことも見たこともない風景や
会ったことのない人に会えることにワクワクしちゃいますね!特に雨の日は。
私も少しずつじっくりと読んでいます。

投稿: 恭子 | 2010年4月20日 (火) 20:39

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