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折句&沓冠

これは、折句(おりく)、沓冠(くつかむり)と読む。

短歌を知る前にはまったく読めなかった。

折句は五文字のテーマがあってそれを57577のそれぞれの句の頭に

当てはめ、ひとつの歌を完成させるというもの。

覚書を兼ねて今までの自分の折句&沓冠を・・・

 

(あ)逢へずとも(い)一途な想ひ(う)うちに秘め

            (え)駅舎たたずむ(お)折々の雨

 

うたのわの「あいうえお歌会」をきっかけに自分のページで詠んだもの。

「折々」は本来なら「お」じゃなく「を」だから本当は間違っていると後で知ったけど

折句じゃなかったら詠めないであろう歌が出来上がって面白かったので取って

おいた。 

 

折句「十五夜」

(じ)字余りな(ゆ)夢をあきらめ(う)浮雲に

            (ご)五七調なる(や)大和歌詠む

 

月が大好きな私は十五夜を折り込んでみたい!と思い立ち・・・

しかしながら旧仮名遣い的には正確なところは「じふごや」らしく。

 

折句「クリスマス」

(く)唇に(り)六花おとずれ(す)透きとほる

            (ま)待ち明かせども(す)姿なき君

 

六花(りっか)=雪の花のこと。

六花亭「ろっかてい」の「ろっか」が一般的らしい。

これは初めて形になったぞと自己満足の歌。

ま、折句を詠むこと自体がそもそも自己満足なのかもしれない??

 

折句「思ひ川(おもひかは)」

(お)面影の(も)もの儚しや(ひ)ひとひらの

            (か)かくし涙ぞ(は)花と散るらん

 

「思ひ川」とはなんとも美しいお題だ!と食いついて詠んだものでした。

 

折句「春待ちぬ」

(は)花咲かす(る)瑠璃色の雨(ま)まとひゐし

            (ち)小さき蕾は(ぬ)濡れ渡りけり

 

折句「春匂ふ(はるにほふ)」

(は)花のいろ(る)瑠璃鳥のごと(に)錦絵の

            (ほ)ほむら立つごと(ふ)筆の流れに

 

春待つ思いを折り込んでみたくて・・・

 

折句「春の海」

(は)花のみち(る)縷々とし続く(の)野辺ゆけば

            (う)浮き雲わたる(み)見果てぬ海へ

 

どなたかのお題をもらい受け・・・

 

折句「風刺詠み」

(ふ)吹く風に(う)憂き言のみを(し)認めて

            (よ)寄り添はぬ人(み)見果てぬ孤独

 

歌は「私」を詠むものとどなたからか聞いたばかりだったので・・・

 

折句「鬼は外」

(お)音もなく(に)庭におはすは(は)春の使者

            (そ)そを一目見ん(と)時を忘れて

 

節分というきわめて旬の短い季語を折り込んでみた。

しかしながらこれまたお題とは無関係な歌でありますね・・・

 

折句「冬惜しむ」

(ふ)降る雪に(ゆ)ゆふべのことを(お)思ひつつ

            (し)認めてゐる(む)胸のうちかな

 

節分とはまた冬との別れでもあるわけで・・・

冬生まれの私が大好きな季節にさよならを告げ。

これもまた「おしむ」ではなく「をしむ」だったようで・・・

 

そして、沓冠(くつかむり、くつかぶり、くつこうむり、とうかん)というのは

折句に加え、57577のそれぞれの句の最後の文字を後ろから戻って

折り込んでいくというもの。

 

沓冠「梅の香に春を知る」

(う)薄染むる(る) (め)芽吹き初めにし(し) (の)野の花を(を)  

            (か)かこちがほなる(る) (に)鈍色草は(は)

 

(う)現なる(る) (め)巡り巡りし(し (の)残り香を(を)

          (か)帰らぬと知る(る) (に)二度と此処には(は)

 

最初に「うめのかに」と読み、Uターンして語尾の「はるをしる」を読むのです。

沓(=靴)+冠(かんむり)・・・・・なるほど~。

この遊びを知った時、私には到底出来うるものではないと思ったけどやって

みると「う」で始まって「る」で終わる言葉は・・・とあれこれ考えるうちに難しい

ながらも言葉を探し、全体が繋がっていくことの楽しさ、折り込むお題に沿って

いることなどの条件を満たしていてこそ沓冠だとわかっていき、その難しさに

挑戦することの面白さにはまっているのです。

え?この歌、お題に沿ってない?・・・いいから、いいから~(笑)

 

沓冠 「雪の花 春に咲く」

 

夢路ゆく君のはかなさ残る夜に

            花も舞ひ散る情け宿には

 

ゆくりなく来りし寒さ野の果てに 

            はらはら降れる名残の雪は

 

 

沓冠「東風吹かば 梅にほふ」

 

恋ひ慕ふ契りてもなほ文無きに

            哀しみの雨はや落つだら

 

こひ願ふ小さき夢なほふところに

            香る白梅春にほほ笑

 

自分で出したお題でありながら、「う」で終わる句の少なさに苦しみ、

「~のやう」とか「~だらう」などで行こうとあれこれ考え、結局これでUPしたが

「うめ」の場合、古くは「むめ」と呼ばれていたと知り「む」で詠んでみた。

 

折句や沓冠をやってみてあらためて自分の語彙の少なさにがっかり。

そして何よりも旧仮名遣いについての無知をこれでもかと知る。

それでも辞書を片手に言葉をつなぎ合わせてゆくと徐々にある形が見えて来る。

それはまるでパズルのようで完成したときには飛び上がって喜んでしまう!

この作り上げる過程が楽しくて結果やその評価などはどうでもよいのかもしれない。

昔の人たちはこんな言葉遊びを楽しんでいたとは風流だなぁ、などとあらためて

思うのであります。

そして作り上げる間、家に閉じこもっているとやはりふと聞こえる風の音や

窓から見える月、花の匂いなどを五感をふるわせながら詠みたいと思うもの。

自然詠みが私の基本だということにも気づくことが出来るのでありました。

 

私の座右の銘のひとつ 「人生に無駄は無し」 ということかな・・・

 

*ところどころ文章内の文字色が黒だったり灰色だったりと読みにくくて

 申し訳ありません。赤と青は意図的に変えたものですが、それ以外は

 同じ色のつもりでしたがブログを見てみるとずいぶん違うと気づきまして・・

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コメント

旧仮名遣いは私もいつも悩みます。
「をしむ」はねぇ・・・
「おんな」は「を」ですけど「おみな」は「お」ですしね。
「雄々しい」が「ををし」だということを初めて知りました。

思うに、「おしむ」と使う場合は、歌全体を
新仮名で詠めばいいのではないでしょうか。

ところで、「だろう」はもしかしたら「だらふ」じゃないかしら・・・。
あやふやなので調べてみますね。

投稿: 紫苑 | 2010年2月 6日 (土) 16:17

紫苑さん、こんばんは

本当に短歌って特に大和歌を詠もうと思うと奥が深いですよね。
それでもよくよく勉強してからではいつまでたっても
歌にはなっていかないとも思うし・・・
習うより慣れろ、の精神で恥をかきつつ詠み続けて行きたい
と思います。

私も調べてみました。
私の電子辞書では「だらう」となっていました。
ひとつひとつ調べながら出来るだけ間違えのないよう
UPしていかなくてはいけませんよね。
そうしながら覚えていけたらいいかなと思っています。
これからもおかしなところがありましたら教えてくださいね。
よろしくお願いします。

投稿: 恭子 | 2010年2月 6日 (土) 22:01

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