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心地

先日娘と静岡まで足を伸ばし立ち寄った書店でようやくゲットした与謝野晶子の歌集を

ここのところ読んでいて晶子の使う美しき言葉やその言い回しによりいっそう惹かれて

ゆく。

晶子自選の歌の中に大変目立つ言葉の一つとして「心地」がある。

形は、ここちする、ここちして、~のここちす、~するここちに、ここちこそすれ・・・など。

心地良いという言葉は知ってるけど話し言葉として用いるということはなく、やはり文語に

なるのだろうか。若者はこの言葉を知っているのだろうか?もしや死語?

ここのところ歴女ブームだったり、武士言葉が流行ったりしていてもしかすると

「ここちする」などを含めて若者の間でも使わずとも耳にする機会もあるのかもしれない。

 

思い込みの激しい私でありますからこれを機にYahoo!辞書を引っぱってみた。

《心地》

1.外界からの刺激に対して起こる心の状態。心持ち。気持ち。気分。

 「~よさそうに眠る」「生きた~もしない」

(下接語)居心地、風邪心地、着心地、座り心地、旅心地、寝心地、乗り心地、人心地、

夢心地、夢見心地、酔い心地

(こうしてみると案外普通の会話の中で使っている言葉もあるなぁ・・・)

  ワタクシ的使用例:

  「やっぱうたのわは居心地いいやぁ~」

  「この服、ちっちゃくなっただかいね?着心地悪~ッ」

  「貴方にそんな風に褒められたら夢見心地だわぁ~(ゲッ)」 

 

2.物事に対する心の持ち方。考え。思慮。心構え。

 「まだ若き~に」(源・空蝉)

 

3.気分が悪くなること。病気。

 「~などのむつかしき頃、まことまことしき思ひ人の言ひなぐさめたる」(枕・二六五)

 

4.(「心地する」の形で)・・・のようなありさま、・・・の感じである、という意を表す。

  ようす。けはい。風情。

 「人柄のたをやぎたるに、強き心をしひて加へたれば、なよ竹の~して、

  さすがに折るべくもあらず」(源・帚木)

 

以上、国語辞典:大辞泉より 

 

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

先日、晶子の真似をしてみようと一首詠んでみた。

 

荒くれる風に声きくここちしてかけ戻るこのまっすぐな道

 

この日は寒くって犬の散歩に出たのはいいけど雪の降り出しそうな「ここちして」

「お~、寒い、寒い」と言いながら犬と一緒に駆け戻ったという日常の切り取り歌でした。

 

自分が過去に詠んだ歌の繰り返しだったり、どこかで耳にした歌の歌詞だったり

読んだ本の心に残るフレーズの引用だったりと私の歌には独自のものがないけど

歌人と呼ばれるには程遠いし、それを目指しているというわけでもなく、時には誰かの

真似であっても過去歌の捻りでもそれはそれでひとつ表現方法なのではないかと

思っている今日この頃なのです。

 

それにしてもどなたかのブログの中に、

「誰かの目に触れる以上、いい感じに詠めたから良い、というものではない。

間違った文法・語法の歌を読むと絶叫したくなる」

といった文章を見つけ、まさに私の歌のことだと確信した。

歌の詠み方は自由だとしてもやはり公開する以上、その場を汚すような言葉や

言い回しは絶対にしてはならないというのが最低のマナーということなのだろう。

 

それでもうたのわを見渡せば地域、年齢、職業、歌の種類などすべての制約や壁がなく、

あらゆるうたが自由に飛び交い多少の誤字脱字があっても多大なる拍手やお気に入り

が降り注がれている。

 

ひとつの物事には人の数だけ考えがあり、同じである必要などまったくない。

その場に自分がどうかかわるかは自由であるし、それを人がどう捉えようと

それもまた自由なのだ。

 

大切なことはいかに自分を表現するか・・・これもまた人それぞれだけど。

「らしい」ということばの捉え方もまたさまざまだと思いつつ、あえて・・・

「私らしい」うたをどんどん歌い上げたい! 晶子のように。 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

恭子さまこんばんは。日本語ってホントに難しいですよね。私もまだまだ日本語が不自由だなぁと。日々勉強、日々精進でがんばります。うたのわUPの歌にも詠みましたが、うちの息子も何とか一山越えました。あとは運を天に任せるだけです。ひとつは日大付属なので、受かれば御の字ですね。行くって言われても困るけど(汗)

投稿: 千紘 | 2010年1月18日 (月) 19:32

恭子さん こんばんは

 私も自分の言葉でうたえることは本当にまれです。文語の文法もこれでいいのかな?活用は?と思いつつ、え~いままよと詠っちゃってます。恭子さんのうたには季語があったり情緒がある歌が多くてうらやましいと思ってますが・・・
 自分らしさってなにかなんてわかってないけど、せっかく出会ったうたをこれからも続けて行きたいとおもってます。
 サラダのように 日記のように  ウフフ

投稿: 蛍子 | 2010年1月18日 (月) 23:09

千紘さん、こんばんは

日本語は本当に奥が深いですよね。
勉強もせずに曖昧なまま詠んだ歌を公開など
本来はすべきではないんでしょうね。
特に大和歌はあまりに難しすぎます・・。

息子さんの結果はいつでしょうか。
日大付属なんてすごいじゃないですか!
合格したら安泰ですよ~。ぜひ行かせてあげてくださいね。
我が家も現在大学生を二人抱えていて生活は極めて貧困でありますが、
教育ローン、奨学金という応援団がちゃんとありますから・・って、笑。

投稿: 恭子 | 2010年1月18日 (月) 23:21

蛍子さん、こんばんは

私も「えいッ!」と送信しちゃいますが、
できることなら最低限の自信は持って送信したいものだと思います。
でも情けないことに勉強の仕方すらわからないんですよね。

私のうたに季語が詠みこんであるのは季語が好きということは
確かですが季語に助けられたいという思いもあるかと・・。

サラダのように、日記のように・・・
良い言葉ですね!これがそのまま歌になりそうです。

投稿: 恭子 | 2010年1月18日 (月) 23:28

「心地」とは、使いようがとても難しい言葉に思えます。
単独ではもちろん「夢見心地」「人心地」など、いろいろに使えますし。
ただ、いろいろに使えるということは諸刃の剣で、
言わんとすることがぼやけたり、意味が違って受け取られたりする危険性も
はらんでいると思います。

文法は、間違っていると音読したときにやはり突っかかって気になるので、
自分に関する限りは最低限の調べはするよう心がけています。
下書き段階では、一首の中に同じ音(「む」とか「よ」とか)が
重なってしまうこともあり、迷うこと限りなし、です(笑)。

投稿: 紫苑 | 2010年1月19日 (火) 01:06

紫苑さん、こんばんは

確かに晶子さんならでは・・という気がします。

「文法が間違っていると音読したときに気になる」
そもそもそこからして明らかに私の場合は皆さんとは違い、
引っかかりもしないというところが問題です。
「最低限の調べ」
これもわかっていません。

そもそも自分はどんな歌を詠みたいのか、
それ自体が疑問・・・なのかもしれません。

あぁ、まっくら・・・

さきほど紫苑さんが詠まれたお歌、
「傷心の蒼きひたいに口づけよなべてを拭え雪のひとひら」
・・・何度口ずさんでみたことかわかりません。
とってもカッコイイ!!
惚れ惚れしてます・・・

紫苑さんのうたを目指して頑張るぞー♪

投稿: 恭子 | 2010年1月19日 (火) 01:22

いやいやお恥ずかしい。
種明かしすると、あの歌は最初一部だけできて、
「傷心の矢川澄子に口づけよ・・・雪のひとひら」
だったのですよ。
矢川さんは「雪のひとひら」というポール・ギャリコの本の訳者で、澁澤龍彦の元妻、
最期は自殺で亡くなっています。
でもね、点々の部分がどうしてもうまくできなかったので、
一般論にすり替えたというわけでした(笑)。

投稿: 紫苑 | 2010年1月19日 (火) 07:18

紫苑さん、おはようございます

夕べあれから布団にもぐって携帯電話からもう一度紫苑さんのうたを見てました。
一目惚れのうたって読めば読むほど惚れ込んでいきます。
うたのできる過程は人それぞれだと思うんですが、
紫苑さんは常にそういった感じで全体を作り上げていくんですか?

投稿: 恭子 | 2010年1月19日 (火) 08:44

いいえ、すんなり全体ができるとき、
一部ができて肉付けするとき、
詠みたいものだけがあって呻吟するとき、
直しているうちにまるで様変わりするとき……

自分で自分が視えてません!(恥)
これじゃいけないんですけどねぇ。

投稿: 紫苑 | 2010年1月19日 (火) 10:55

紫苑さん、こんにちは

丸一日、紫苑さんのコメントを放置してしまって申し訳ありませんでした。

というのもココログが不具合を起こしていたのか私のPCがご機嫌斜めなのか、
ログイン画面に到達できずコメントの確認が遅れました。

私もうた自体がひらめくように口をついてこぼれるとき、
ワンフレーズだけ浮かんであとが繋がらないとき、
全体のイメージだけが出来上がって言葉が出てこないとき
・・・といろんなときがあります。

いずれにしても私の場合、自信を持ってあげたうたがいまだにないのです。
勉強不足ということもあるのでしょうが、
「習うより慣れろ」という言葉が好き、ということもあり・・・。

紫苑さん、夕べは私のうたのフォローをしてくださって
大変感謝しています。
しかし、ああいった歌というのは詠むべきではないですね。
詠んだとしても公開すべきじゃなかったのかもしれません。
そういったことも含め、私は人としてもまだまだ未熟だということを
痛感しています。

紫苑さん、これからもどうか見守ってくださいね。
よろしくお願いします。


投稿: 恭子 | 2010年1月20日 (水) 11:23

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