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短歌 ~8月

あの雲は熱き想いの形して君なる空にぐんぐん迫る 09/8/1

また雨が落ちだした空は真っ白で真白き芙蓉と競うでもなく 09/8/1

夏期講習一時帰宅の吾子の眼はきらきらとして遠く見ている 09/8/1

八月は平和ボケした現代の未来見据えて過去を語ろう 09/8/1

漫ろ雨頻き降る闇に東雲はまだ遠けれど鳥は歌へり 09/8/2

わが寝屋に北の窓より忍び入る秋の気配に心染む夜 09/8/3

赤とんぼ秋色の風切って舞い梅雨明けきらぬ夏は去り行く 09/8/3

食堂のテレビが告げる梅雨明けをみな祝うように笑顔弾けて 09/8/3

群青の空に真珠の月涼し雲に時の間隠れては見ゆ 09/8/3

梅雨明けてつき抜ける空こころごと弾けて飛んで悩み事なし 09/8/3

白日傘ゆらめく炎暑の片陰に何処より来てアゲハ付き添ふ 09/8/4

あの山もさぞ暑からふ雲の海ぷかりぷかりと浸かりなさいな 09/8/4

夏の月雲を纏ひて滲みをりおぼろおぼろに吾を釘付け 09/8/4

遥かなる空の五線譜ちりばめた夢の音符を辿りて歌う 09/8/5

煮え切らぬまま暮れて行く今日の空雨を匂わす風を吹かせて 09/8/5

言問はぬ花には花の教へあり人跡未踏の地にあらうとも 09/8/5

夕涼み月影さやか萱の原葉擦れに秋の訪れを聞く 09/8/6

灼けた道冷ますが如き通り雨土のにほひに命感じて 09/8/6

蒼隠す鉛の空は重たくてヒロシマの日の涙は雨に 09/8/6

魂を鎮むるが如き降る雨に打たれし花は一途に咲きぬ 09/8/6

おぼろげに満ちて微笑む月の宵そぞろ吹く風秋は佇む 09/8/7

秋立ちぬ窓辺に仄か月影の灯りて優し夢の途の如 09/8/7

墨染のゆふべ瞬く天の川願ひはひとつ胸にひそめむ 09/8/7

朝顔に差し伸べられし吾の手はまどろみの中誰を探さむ 09/8/7

鬼灯の内なる想ひ弾け飛ぶいとほろ苦き一粒の恋 09/8/7

東山刻一刻と白みゆきひぐらし刹那愛を告ぐらむ 09/8/8

夏じゃない秋でもなくていつなのかそんな些細なこと笑う雲 09/8/8

胸の奥秘めたる歌に真意ありさざ波立ちて心打ちふる 09/8/8

眼を閉じて語り部の声まっすぐに胸しみとおる核なき地球へ 09/8/9

夕風に昼の喧騒忘れ去り茜の空をひとり見上ぐる 09/8/9

けふもまた何事もなく日が暮れて真白き雨は静かに降りぬ 09/8/9

白糸を紡ぐやうにただまっすぐに降りくる雨ぞ御霊鎮めむ 09/8/9

蕭蕭と降り頻く雨にわが胸は熱き想ひぞ滾りて馳せぬ 09/8/9

薄暮れの野辺に浮かびて白桔梗夢か現かわれの名を呼ぶ 09/8/10

花言葉片時去らず想ひける如何にこの花君に贈らむ 09/8/10

頬撫でるやうな秋風やはらかくひとけ無き道吾とふたりきり 09/8/10

静寂をしづ降る雨ぞ濡らしをる夜の窓辺に露結び落つ 09/8/11

潮騒に包まれ潮の香を聞けばわが源は海の辺に在り 09/8/11

手探りで求めし想ひ少しずつ吾の掌尽くし零れむ 09/8/11

雨音を聞きつうたた寝心地良しげに君が胸の鼓動に似たり 09/8/11

頑なな花に雨落ち言問ひぬ如何にか心解けぬものを 09/8/11

夜に綴る歌の深さは明けてなほ想ひ深まり胸刻まるる 09/8/13

流星の群れ降る闇に想ひ馳せ古人のやうに君恋ふ 09/8/13

流星を待ちつ見上げし雲間より月覗きをり吾と密会 09/8/13

流星群見んとぞ出でし闇の下朧げな月に一縷の望み 09/8/13

家々の角に立ちたる迎へ火に揺らめき降りぬ精霊の影 09/8/13

星ひとつ流して曇りゆく空はいとも儚なく去る君の如 09/8/14

朝露の木々に木霊す蝉の声無の心もて祈る静けさ 09/8/14

月夜には君の海へと身を沈め爪先までも碧に染まろう 09/8/14

今宵また星なき空を見上げゐしただ待ちぬるは君の面影 09/8/15

寂しさの海に陶酔せし君にわれの言葉は虚しく沈む 09/8/15

真夜中に綴らるる歌は妄想の恋に奔りて闇のみぞ見ゆ 09/8/16

わが胸に添ひ立ち揺るぎなき星ぞ人はうたかた闇に消へ入る 09/8/16

空耳か記憶の声か東雲のさえずる鳥にわれを偲ばゆ 09/8/16

闇のこる空に漂ふわが心彷徨ひ廻り何処へ行こうか 09/8/16

送り火を焚く義母の背のまろきことひととせごとに胸刻みゐし 09/8/17

わが歌はいかに詠めどもわが胸の湧き出づる言いと愛しかり 09/8/18

自由とは何かとわれに問ふてみる答えは永遠に宇宙の彼方ぞ 09/8/18

誰よりも現実主義の娘より御札受け取りしみじみ眺む 09/8/18

薄暮れの野辺に紅さす夕化粧色香放ちて誰を誘はむ 09/8/19

秋めけば君が面影夢に見ゆ届かぬ指の先に儚く 09/8/19

夕されば雲はひとひら千切れゆき移ろふ秋の色やるせなし 09/8/19

落ち蝉を拾う子の手のやはらかき注ぐ眼のまっすぐなこと 09/8/19

耳に残る声手繰り寄せ抱きしむる星なき夜の独り言かな 09/8/20

ぽろぽろと想い零れて流れ落つ一粒の星消へ入るやうに 09/8/20

天高く刷毛雲はるか今朝の秋些細な事は空へ放ちて 09/8/20

薄暮れの色なき風に夏解け夢はうたかた秋へと滲む 09/8/20

吾が君よ眠れや眠れ深き海ゆりかごの如この胸の中 09/8/21

道の端に暮れ残りゐし白き花心にそっと灯り仄見ゆ 09/8/21

裏庭で侘びるやうに鳴くこほろぎよまだひとりぼっち寂しかないか 09/8/21

憧れや妄想ばかり詠ひゐし現実見ればありふれた日々 09/8/22

縁側に優しき白き今朝の陽の確かに在りぬことぞ喜び 09/8/22

山の端に入り日かかりて蜩の草の闇にはこほろぎの鳴く 09/8/22

ふとみれば空席にひとつ残さるる忘れ扇とはまだ言い難し 09/8/22

草の花種は結びてこぼれ落つ次なる夏に命繋ぎぬ 09/8/22

夏納む色も儚き遠花火楽しき日々ぞ浮かびて消ゆる 09/8/23

花も鳥も虫も移ろふ今朝の庭色なき風はほつえを揺らし 09/8/23

処暑と云ふ今日の陽はまだ熱けれど風は冷たく一味違ふ 09/8/23

歳時記のもう半分を越えたなと去年と同じ独り言かな 09/8/23

久方に夕立降りて虹かかる逝く夏惜しむ心の情景 09/8/23

新涼の朝の窓に小鳥来ぬ歌えや歌えまどろむ君に 09/8/24

わが道に迎ふる終の月の日に想ひは数多胸しみ深し 09/8/24

走る!走る!もういいと言われどまだ走る私は誰より元気ですから 09/8/24

新涼に洗はれ渡る天の川遠く儚き思ひ消ゆらむ 09/8/25

濃き闇にいつの間にやら現るるわが心根に抱く明星 09/8/25

緊迫のシーンに注ぐ眼差しを一身に受け子らは力に 09/8/25

束ね髪ほどく指先思ひつつ鏡になほす解れ髪かな 09/8/25

吾の心見ゆるが如くこほろぎの囁くやうな歌ぞ胸染む 09/8/26

佇めば己が想ひの道はただただまっすぐに緩やかに指し 09/8/26

永遠の別れなどなし縁あらばきっといつしか結ばるるはず 09/8/26

田の人はまだ真夏日に早稲刈りて八十八の労をねぎらふ 09/8/27

秋の日の午後の日差しはやわらかくすべてのものを真綿で包む 09/8/27

業為して陽は傾きぬ西窓に繁れる柿の葉影ゆらめき 09/8/27

涼新たコバルトブルーの空浮かぶ弓張月の白やはらかき 09/8/27

わたくしの奥より夜に湧く歌は朝の歌とは違う人格 09/8/28

われ知らず夢の彼方にワープする送りそびれた想い握って 09/8/28

夜に通ふ秋は日ごとに長居せむいつしかわれの心占拠す 09/8/28

逢へずとも一途な想ひうちに秘め駅舎たたずむ折々の雨 09/8/28

                                  (折句「あいうえお」)

暗闇の耳に届くはあの時の君の切なきあの言葉だけ 09/8/29

墨染の夜深々と遣る瀬なく淡き月添ふただ妖しげに 09/8/29

碧き海のふところ深く抱かれぬ真白き真珠の涙ひとつぶ 09/8/29

秋の日は釣瓶落としと呟きつ犬を散歩の急ぎ足かな  09/8/30

秋風に吹かれ流るる蝶ふたりくちづけしつつつかず離れず 09/8/30

村雨はやや強引に秋連れて置き去りゆきぬつれなきお方 09/8/30

うたた寝の寝ぼけ眼に時計見ゆ逝く八月に想ひめぐらし 09/8/31

天気図を解ったふりして見つめてる君住む街の野分のゆくえ 09/8/31

この秋の深くて長き夜のやうに飲めぬ酒飲みうたた寝をせむ 09/8/31

計 107首

夏~秋への移り変わりを詠んだ月だった。

恋句にも挑戦。人生はたった一度。恋に恋したっていいんじゃないかな?

などと開き直ったりもして。

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